中村恵美司法書士行政書士事務所

離婚を急いで養育費を低く決めていませんか?|あとから増額が難しい理由

皆様、こんにちは。中村恵美司法書士行政書士事務所の中村恵美です。

「とにかく早く離婚したい。養育費は少なくてもいいから、判を押してほしい」。離婚のご相談のなかで、こうしたお気持ちをうかがうことがあります。長い話し合いに疲れ切って、一日でも早く区切りをつけたい。そのお気持ちは、とてもよく分かります。

けれども、そのときに低い金額で決めた養育費は、あとから「やっぱり足りない」と思っても、簡単には変えられないことがあります。今回は、養育費の増額がどのような場合に認められるのか、そして離婚前に考えておきたいことについて、お話しさせていただきますね。

■ 養育費の増額には「事情の変更」が必要です

いったん取り決めた養育費も、あとから変更を求めることはできます。当事者同士の話し合いでまとまらなければ、家庭裁判所に養育費増額請求の調停を申し立てることになります。

ただし、変更が認められるのは、取り決めた後に、その当時には予測できなかった事情の変更が生じた場合です。たとえば、支払う側の収入が大きく増えた、受け取る側が病気で働けなくなった、といった事情です。

■ 「安すぎた」だけでは、事情の変更にはあたりにくい

気をつけていただきたいのが、「取り決めた金額がもともと低すぎた」という理由です。

離婚のときに、お互いの収入やお子さんの年齢を分かったうえで合意したのであれば、その後に事情が変わっていない限り、「今になって安すぎたと気づいた」というだけで増額が認められる可能性は低いです。家庭裁判所は、当事者がいったん合意した内容を尊重する傾向にあるためです。

養育費の調停では、裁判所のホームページでも公開されている養育費算定表が参考にされることが多くあります。けれども、取り決めた額が算定表より低かったとしても、それだけで算定表の水準まで引き上げてもらえるとは限りません。

「あとで調停をすれば何とかなる」と考えて妥協してしまうと、思っていたような結果にならないことがあるのです。

■ 養育費は、お子さんのためのお金です

養育費は、お子さんが育っていくために必要なお金です。小さいうちは足りていても、進学や成長にともなって、必要な費用は増えていきます。

■ 相手が低い金額にこだわるときは、調停も考えてみましょう

話し合いのなかで、相手が「この金額でなければ応じない」と、不当に低い金額にこだわることもあります。そのようなときに、無理に合意してしまう必要はありません。

離婚前であれば、家庭裁判所に夫婦関係調整調停を申し立て、離婚そのものとあわせて養育費についても話し合うことができます。調停では、調停委員が間に入り、算定表などを参考にしながら双方の事情を聴いて話し合いを進めます。当事者同士では平行線だった話し合いも、第三者が入ることで進むことがあります。

また、別居中で生活費に困っている場合には、婚姻費用の分担を求める調停を申し立てることもできます。当面の生活費の見通しが立てば、離婚を急がずに、落ち着いて話し合いやすくなるかもしれません。

調停には時間がかかることもあります。けれども、ここで数か月かけることが、その後何年にもわたるお子さんの生活を守ることにつながります。「早く終わらせたい」という気持ちと「お子さんのために必要な金額」を、一度分けて考えてみていただけたらと思います。

■ 離婚の前に、確認しておきたいこと

離婚を決める前に、次のような点を確認しておくと安心です。

  1. 算定表などを参考に、目安となる金額を知っておく
  2. 支払いの期間(何歳までか)や、進学時の費用の扱いを決めておく
  3. 取り決めた内容を、公正証書や調停調書などの書面に残しておく

特に、強制執行認諾文言付きの公正証書にしておくと、支払いが滞ったときに、裁判を起こさずに強制執行の手続きをとることができます。

■ まとめ

  1. 養育費の増額には、取り決め後の事情の変更が必要です
  2. 「安すぎた」というだけでは、増額が認められる可能性は低いです
  3. 離婚を急ぐ気持ちがあっても、金額は落ち着いて決めることが大切です
  4. 相手が不当に低い金額にこだわる場合は、無理に合意せず、調停で話し合う方法もあります
  5. 取り決めた内容は、公正証書などの書面に残しておきましょう

離婚の話し合いは、心身ともに大きな負担がかかるものです。それでも、養育費はお子さんの将来に直結します。「この金額で合意してよいのか分からない」「離婚協議書を作りたい」「調停の申立書を準備したい」という段階でのご相談も歓迎しております。

当事務所は、ご来所のほか、WEBでもご相談いただけます。まずは、お問い合わせフォーム、メール、公式LINEからお問い合わせください。岡山で離婚や養育費でお悩みの方は、どうぞお気軽にお声かけくださいね。

中村恵美司法書士行政書士事務所
代表: 中村 恵美

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